きっかけは、タイルモザイク浪漫館で見た、小さなタイルクッションでした。
山崎暢子さん(1967年生まれ、京都精華大卒)は笠原産のモザイクタイルを布に貼って造形する作家さんです。
作品を見たときの目から鱗的衝撃で、先日京都まで押し掛けてしまいました。
彫刻家、陶芸家として、関西地方を中心に個展で発表しておられます。
写真は個展での展示
昨年の暮れから今年春まで、岐阜県現代陶芸美術館(多治見市東町4)での『タイル きのう・きょう・あした』展が開かれ、そこに、山崎さんの大作が展示されていました。
大がかりなカーテンに、滝上りのように、鯉が上っていたり、ワイシャツ、ワンピース、ソファーになったものなど、全面にタイルが貼ってある作品です。
そこからのご縁で、モザイク浪漫館に、クッションが残っており、私どもが巡り逢ったようです。
写真は山崎さんのパンフから一部抜粋しました
タイルといえば、硬いものに貼る概念しかありませんでした。
「布にタイルを貼る」コペルニクス的転回の発想は、タイルメーカーにない、まさに「びっくり」な作風です。
ところがその作品はタイルを貼っても尚、布のもつ柔らかさやしなやかさを全く失っていません。
そればかりか、布という変貌自在な形態の特質を取り込んで、タイルの表現を広げています。
タイルのクールでツルっとした感覚が昔から好きで、タイルを素材としているとのこと。
気に入る布の色合いが出るまで染色したり、柔らかさをそこなわない接着剤との試行錯誤など、制作にかける拘りは細部にわたります。
しばし、タイル談義に話が弾みました。
今後、山崎さんとコラボ出来ればと考えています。(Muto)
京都の趣のある古い日本家屋のアトリエでの山崎さん