現場の声

ラーニングLABO・陶芸教室で本焼き焼成

ラーニングLABO陶芸教室で、生徒会員さんの作品を初めて本焼き焼成しました。
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窯から出たばかりの作品

窯の中の織部はまだ薄い皮膜がついています。
窯出ししてから、薄い塩酸で洗い皮膜を落とします。
作品は、マグカップや花器、灯り、小皿、表札など日常で使える多種な楽しい物になりました。
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当教室では、釉薬に織部、黄瀬戸、透明釉を無償で提供しており、生徒さんの希望にそって、施釉しました。
この釉薬や土は美しいので、「美濃の釉」、「美濃の土」として一般の方にも、ネット販売する予定です。
織部と黄瀬戸は、深い伝統的な緑と黄色がとても味わい深い色なのです。
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模様に濃淡の出る美しい織部釉と黄瀬戸の湯飲み
いづれも初めて陶芸をしたという生徒さんの作品の湯飲みです。

今後の作品が楽しみです。(Muto)

「ぎふ東濃アートツーリズム2009」で工場見学

29日、多治見市内の小学生が弊社に工場見学に訪れました。

これは、岐阜県東濃振興局が主催する「ぎふ東濃アートツーリズム2009 サマー体験塾」の一環です。本来、「ツーリズム」は、美術館、博物館、道の駅などの65の施設が参加しており、アートを通して東濃地方への観光客を誘致しようという事業ですが、「サマー体験塾」は夏休み期間の地元の子供たちを対象に開かれました。

通常、作陶やそば打ちなど体験型の内容になっており、今回参加した小学生は、工場でタイルの生産工程を見学した後、モザイクタイルアートの作品作りをしました。

弊社では、向井総務部長が案内をさせて頂きました。
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写真はタイルに裏紙をつけ、箱詰めする「貼り場」の工程を見学する小学生

地元とはいえ、タイル工場の生産工程を見たのは初めてだったようで、「知ってるようで知らない地場産業を知り、面白かった」と好評でした。 (Muto)

基礎釉の研究と応用

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工場の一角に、コンパクトな釉薬研究施設があります。
多治見市意匠研究所を退官された日比武先生が、毎週一回、こちらで基礎釉薬の研究と、職人さんに講義をしています。
日比先生は、釉薬と絵具の研究者です。
やきものでいう基礎釉薬とは釉薬の質感や光沢、マット感など釉薬の性質を決める基本の釉薬のことです。
透明で硬く貫入のない石灰系、白色度を増すタルク釉系、軟らかく光沢のある長石系・・・というように原料の持つ性質で、釉薬の調子は変わります。
この基礎釉薬に鉄やクロム、マンガン、コバルトなどの金属系着色原料を添加して美しい釉薬は出来ています。
最近の外壁タイルの場合は、エンコーベと呼ばれる化粧土の上に釉薬を掛けるパターンが多いものです。
大量生産では、エンコーベの方が色調が安定しますし、さらに上に掛ける釉薬も基礎釉薬に顔料を用いることで、ばらつきのない製品ができるからです。
今、日比先生は当社のタイルに相応しいエンゴーベの上に掛けるオールマイティーな基礎釉薬を作っています。
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少しずつ調合して、乳鉢で混ぜ合わせる手作業です。手前が日比先生です。
この基礎釉ができれば、応用で釉薬の色調や性質は変化させ、多様な釉薬になります。
新商品開発や、補修の色あわせのために、わかりやすいテストピースも作っています。
釉薬は、凝れば凝るほど多種に展開していくことができる奥の深い分野です。
(Muto)