リング
トローチ・・・? いえ、そうではありません。
リングと呼ばれていますが、焼成中の窯内の温度、雰囲気を確認する物です。
焼成後のリングの状態を見て、どんな焼成だったのか見当をつけ、データにしています。
窯は焼き物を入れる場所によって、焼成の雰囲気が異なります。で、窯のなかのいろんな場所にリングをおいて焼成状態の見当を付けるわけです。
器を焼く窯では、ゼーゲルコーンというものがあります。三角錘のような形をしています。
こちらは、窯の穴から覗いて、その倒れ具合で温度帯と雰囲気を知る。
もちろん温度計センサーがありますが、温度だけでは一概に知ることができない、時間による熱量と窯内の雰囲気があるものです。
窯の癖みたいなものもあります。ここが、できれば、透明の窯があったらと思う所以ですが・・・・。
均一な製品を作り上げるにはデータは重要です。
それをもとに、窯の各場所ごとで個別のバーナーワークを駆使して、雰囲気を変えているのが職人さんの経験です。
テストピースを貼り付けたものです。並んだタイルの差は、わずかで見ただけではわかりませんが、均一にするための参考にします。わずかな差にもこだわりがあります。
日本のタイルは厳しい規格基準がありますから、少しの色、表情の差に気を配ります。
ヨーロッパのタイルとこの辺が少々違うかもしれません。 日本のものつくりはとても厳密だと思います。 つづく (Muto)